第1回長野県地域医療構想策定委員会が開催される
10月16日に第1回の長野県地域医療構想策定委員会が開催された。同委員会は県の地域医療構想作成のため県医療審議会に設置され、医療審議会の委員19名のほか民間病院と診療所をそれぞれ代表して2名が加わり21名で構成された。地域医療構想は医療計画の一部として下記の3点を定めるもの。(1)構想区域ごとに2025年における病床の機能区分ごとの病床数の必要量、(2)構想区域ごとの2025年における居宅等における医療の必要量、(3)地域医療構想達成に向けた病床機能の分化及び連携推進に関する事項。
構想区域については、現在県では第6次保健医療計画で定めた二次医療圏を基本に医療提供体制の構築を進めていることもあり二次医療圏を構想区域として仮設定して検討を進めることが確認された。
また、国が示した医療需要と必要病床数の推計値が資料として出され、2014年7月現在19,672床の病床を現行の流出入を反映させた医療機関所在地ベースとした場合は16,741~16,839床、医療圏内ですべての医療需要をまかなうとした患者住所地ベースでは、16,712~16,807床との推計値が示された。この推計値によると2025年までに最大で2960床、最低でも2,833床の病床の削減が必要となる。
医療需要と必要病床数の推計値
必要病床数の推計方法と慢性期入院受療率の目標設定
これに対して、複数の委員から数字が目標値として一人歩きすることへの懸念が指摘されるとともに、厚生労働省の推計方法への疑問も出され、国の推計値は目標というよりも参考程度に捉えるべきとの意見も出された
特に国の推計方法では療養病床のうち医療区分1のうち7割を在宅医療等へ移行させることが前提とした上で全ての構想区域を入院受療率を全国最小の県を目標とするパターンAと全国中央値を目標とするパターンBの範囲内で選択することとされ約100床程度の差が生じる。県からは今後病床削減幅が小さいパターンBをベースとしたいとの提案がされたが、委員からは介護療養病床における医療区分1の推計に対する疑問や全国中央値まで病床を増やすことは可能かなどの質問が出されるとともに数として固定することへの懸念が示された。委員会ではパターンBで議論をスタートさせるが正式決定としないことを確認し、県担当者からは推計値は国の統計に縛られるが長野県独自に調査したいとの意向も示された。
また、患者の流出入については、国のガイドラインでは高度急性期以外は原則として構想区域内で完結するとしている点についても、医師確保ができない医療圏などは流出が生じることは避けられないこと、現在の連携体制を壊すことにならないかなどの意見が出された。
資料は下記の県のホームページで閲覧可能。
http://www.pref.nagano.lg.jp/iryo/kenko/iryo/shisaku/hokeniryo/vision1kai.html