9月16日に開催された社会保障審議会・医療保険部会で、OTC類似薬の「一部保険外療養」の施行に関する検討の取りまとめ案が了承された。
OTC医薬品と成分、投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品(OTC類似薬)を使用する場合には、原則として別途の負担を求める「一部保険外療養」の制度が来年3月から実施される見通しである。
なお、厚生労働省は円滑な実施に向け、対象医薬品に係る薬剤コード、効能・効果が対応しない傷病名の一覧、別途の負担を求めない場合のレセプトへの記載の標準例等を公表し、システム上で対象・対象外の判断を支援できる環境整備を進める。また、紙カルテを使用する医療機関においても円滑な運用が可能となるよう、対象成分の一覧表及び簡易なチェックシート等を作成するとしている。
制度の仕組み
- 患者が対象となるOTC類似薬を使用する場合は、別途の負担として薬剤費の4分の1を求める。
- 対象医薬品は、 OTC医薬品と成分、投与経路が同一で、一日最大用量が異ならない医療用医薬品77成分1042品目(抗アレルギー薬、鎮痛消炎剤、胃腸薬、去痰薬、皮膚保湿剤等)

「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」8/5資料
別途の負担の対象外となる場合
ア OTC医薬品では対応できない効能・効果の場合
| 具体例 | 医療用医薬品の効能・効果 | OTC医薬品の効能・効果 |
|---|---|---|
| フェキソフェナジン塩酸塩(抗アレルギー薬) | アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒 | 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ、鼻水、鼻づまり |
赤字部分は、OTC医薬品にない効能効果のため別途の負担の対象外
「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会」8/5資料
イ 別途の負担を求めない者・療養に該当する場合
| 条件 | 備考 |
|---|---|
| こども | 18歳に達する日以後最初の3月31日まで |
| 生活保護受給者 | 医療扶助を受ける場合 |
| がん又はがんに関連する治療 | 関連のない症状は負担対象 |
| 指定難病又は指定難病に関連する治療 *1 | 関連のない症状は負担対象 |
| 国の公費負担医療における使用 | 公費負担医療でない場合は負担対象 |
| 入院中の使用 | 退院時処方を含む |
| 処置、手術、検査に伴う使用 | 14日分までに限る |
| 添付文書に「服用しないこと」と記載されている類似薬を処方する場合 | 「妊婦」、「妊娠している可能性がある女性」、「授乳婦」(例:イトプリド) |
| 長期使用等が医療上必要である場合 *2 | 内服薬 50週(1年)を超える場合(少なくとも半年の使用実績があり、今後も年間を通じた処方の必要があると医師が判断した場合を含む。) |
| 外用薬 内服薬と同様に年間を通じた使用があり、アトピー性皮膚炎への皮膚保湿剤、プロアクティブ療法としてのステロイド外用薬等の長期使用にエビデンスがある場合 *3 |
*1 指定難病患者であることは特定医療費(指定難病)受給者証・登録者証による確認を原則とする。ただし、 令和9年度末までの経過的な取扱いとして、指定難病患者であることを客観的に確認できる一定の書類による代替確認を認める。
*2 長期使用として別途の負担の対象外となる場合の基準
| 1 服薬歴が確認できない場合 | 初診から一定期間(6か月程度)の診療経過により今後の継続治療の必要性が確認された場合は 一定期間経過後は対象外とする |
| 2 服薬歴が確認できる場合 | 他医療機関から転医して受診するなど、長期継続服薬歴(6か月以上)を確認し、今後の継続治療の必要性が確認された場合は対象外とする |
なお、1、2いずれも当該医薬品の年間を通じた長期使用等(直近の実績を含め少なくとも1年の継続)が医療上必要であると医師が認めた場合であり、今後半年以内の治療終了が見込まれる場合は負担の対象となる。
*3 重度の変形性膝関節症への湿布、アトピー性皮膚炎以外への皮膚保湿剤等の使用は、重症患者への長期使用の実態を踏まえ、令和10年度末までの経過措置として別途の負担の対象外とする。
(参考)実務のフローチャート

別途負担の対象外の場合 レセプトに理由を記載し、処方箋には対象外であることを記載する
別途負担の対象の場合 処方箋に対象であることを記載する
なお、一部保険外療養の対象医薬品が同時に長期収載品の選定療養の対象となる場合は、長期収載品の選定療養の特別の料金は求めない。
