中医協総会 第294回 外来医療(その1)を議論

平成27年4月8日中央社会保険医療協議会 総会(第294回)が開催され、外来医療(その1)について議論がされた。 資料では外来医療の特徴として、
  1.  一般に高齢者の外来受療率は若年者よりも高く、高齢化は医療需要を増やす方向に作用する一方、近年では、特に高齢者の外来受療率や外来受診頻度が低下する傾向にあり、全体として、経年的に外来患者の総数に大きな変動はみられていない。
  2.  これまで、外来の機能分化の取り組みが進められてきている。大規模な病院の入院外受診件数は他の規模の病院と比べ減少する傾向にあり、紹介なしで大病院に受診する患者は減少し、大病院が患者を他院に紹介する頻度は上昇する傾向にあるが、依然として、大病院を紹介なしで受診する患者は高い割合で存在する。なお、病院勤務医の外来診療の負担感は、ある程度改善する傾向にある。
  3.  生活習慣病・整形外科疾患の患者、小児の患者など、同一傷病で複数の医療機関を受診する者がみられるほか、特に高齢者では複数の医療機関を受診する者の割合が高い傾向にある。同一の薬を複数の医療機関から処方されるといった事例もみられる。
  4.  また、患者が薬を飲み残すことがあり、医療資源が非効率的に消費される原因の一つとなっている。調剤時の残薬確認もされているが、医師の確認を経て処方変更が行われる頻度は限定的である。
  5.  平成26年度診療報酬改定では、主治医機能を評価するため、地域包括診療料、地域包括診療加算が創設され、患者一人ひとりの医療ニーズを幅広く受け止め、包括的に対応する機能の強化が図られた。
の5点を上げるとともに、
○ 外来の機能分化・連携を推進する方策や、重複投薬や残薬を減らす方策、主治医機能の強化を含め外来診療の質の向上と効率化を図る方策について、平成26年度診療報酬改定の答申書付帯意見も踏まえ、更に検討していくべきではないか。
と「外来医療の課題」として大病院における紹介状なし受診時定額負担と薬の重複・長期投薬などによる残薬の問題を中心に議論が行われた。 資料 外来医療(その1) 厚生労働省ホームページ

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