高濃度エタノール製剤を手指消毒用エタノールの代替品に(厚労省事務連絡)
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、医薬品及び医薬部外品である手指消毒用のエタノールが不足する中で、厚生労働省は3月23日にアルコール濃度が高い酒を代替品として使用しても差し支えないとする事務連絡を出していた。4月10日には医療機関等においてやむを得ない場合に限り、高濃度エタノール製品を手指消毒用エタノールの代替品として用いることを認める事務連絡を改めて出している。
事務連絡では、高濃度エタノール製品を代用する場合の留意点として、医療機関等の責任において使用し、容器の清浄度への配慮や衛生管理、火気の近くで使用しない等の取り扱いが示された。
代用できる高濃度エタノール製品の定義は下記の二点を満たしたものとされている。
(1)エタノール濃度が原則70~80vol%の範囲内であること(高濃度のものは精製水等で同範囲に薄めて使用する)。
(2)含有成分にメタノールが含まれていないこと。
また、この高濃度エタノール製品は、①アルコール事業法に規定する特定アルコールを行う既存事業者、②アルコール事業法に規定する許可事業者から購入したアルコールを用いて高濃度アルコール製品を製造する既存事業者、③酒税法で定められた酒類製造者または酒類販売業者のいずれかより入手することとされ、医療機関は当該製品が基準を満たしているかを事業者に確認することとされている。
新型コロナウイルス感染症の発生に伴う高濃度エタノール製品の使用について(改定)(令和2年4月10日事務連絡)
今回の事務連絡で、購入先に酒類製造者または酒類販売業者が追加されたが、全国の酒造業者の間では同基準に合致した高濃度エタノール製品の新規販売を開始する動きも活発である。4月には、「アルコール77」菊水酒造株式会社(高知県)、「砺波野スピリット77」若鶴酒造株式会社(富山県)、「笹一アルコール77」笹一酒造株式会社(山梨県)が販売を開始する。