再編統合問題、記者会見で名指しされた病院との懇談内容を報告
長野県保険医協会を含む7団体が加盟する「地域医療と公立・公的病院を守る長野県連絡会」(以下、連絡会)は、5月12日に共同記者会見を行い、再編・統合の対象として名指しを受けた県内の病院とのこれまでの懇談内容を報告し、計画の白紙撤回を求めた。連絡会はこれまで名指しを受けた県内15病院の内11病院の院長や事務長と懇談を行ってきた。
懇談内容では、再編・統合要請に対し「心外だ」「困惑している」「この病院がなくなったら他院へは救急搬送でも1時間はかかってしまう場合がある」「地域住民が自発的に病院を守るための署名活動を行った市もある」「医療機関同士で役割分担や相互支援など連携し、ネットワークで支える医療ができている」「病院を統廃合するつもりはない」等の発言があったことを報告した。
各団体の代表者は、「地域医療構想を進めるのであれば、住民を含めた調整会議の中で協議を重ねていくことが本質だ。現在の新型コロナウイルス感染症のパンデミックの状況を見ても、公立の名のもとに医療の提供体制を削れば、いざという時にどんなに深刻な事態になるのかは明らかである。将来を見据えた賢明な判断を求めたい。」と発言。3月19日に県に提出した国への要望書▽440病院のリストと「再検証」の白紙撤回を強く求める▽地域医療を守るため、県内15病院を含むすべての県内医療機関の存続および一層の充実と、医師・看護師などの確保をすすめ、地域住民が医療を受ける権利を保障する施策を強めること▽「いつでも、どこでも、だれでも」必要な医療が受けられる供給体制を整備すること。またそのための財政措置を講じること、の3点を再度求めた。この要望書については9月までに国へも直接提出し、意向を伝えていくこととした。
また、連絡会は今後の活動として、残りの3病院(4病院の内1つはすでに合併済み)との懇談の場を設けること、新型コロナの影響で中止となった県民シンポジウムを再度計画し、県民へこの問題の可視化をしていくこと、全国連絡会と連絡を取り合い運動を強化していくことを発表した。