市町村国保アンケート結果報告(2015年版)

長野県保険医協会では、毎年市町村の協力を得て国民健康保険料(税)及び保険証交付等に関するアンケートを行っているが、本年7月~8月に実施した調査結果を冊子にまとめた。 保険料(税)率の調査では、約7割の市町村が平成26 年度から保険料(税)率を据え置いた。 医療分の所得割を引き上げた市町村が一番多かったが、全体的には均等割、平等割といった応能割を引き上げる傾向にある。夫婦と子ども一人の世帯をモデルとして、所得200万円、250万円、300万円で試算を行ったところ、いずれも保険料(税)の額が一番高いのは麻績村、一番低いのが根羽村という結果になりその差は2倍以上となった。また、昨年度との比較では須坂市、佐久市、小諸市など市部の引き上げ幅が大きく、前述のモデル世帯で所得250万円(給与収入で年収380万円)の世帯の場合は須坂市105,044円、佐久市64,665円、小諸市60,570円の引き上げであった。 保険証の交付状況の調査では、全世帯に対する短期被保険者証の発行率は前年調査よりも微減し2015年1月現在では13,649世帯であった。上田市では国保世帯の12.2%に対して短期被保険者証を発行している。また、窓口で短期被保険者証が留置きされている数は昨年調査よりも減少したが全県で936世帯あった。短期被保険者証の有効期間は6月が一番多く38.2%であったが、1か月とされたものが21.8%、2か月とされたものが11.6%と1~2か月の超短期の短期被保険者証が発行世帯全体の1/3を占めている。今回の調査では各市町村での短期被保険者証の発行基準や交付方法など運用面についても調査したが、各市町村でかなり運用が異なることが分かった。また、他県の社保協等の資料を取り寄せ比較したところ長野県の1か月、2か月の短期被保険者証の発行割合が極めて高いことも判明し、改善が求められるところだ。 保険医協会では、、短期被保険者証の運用における改善の提案として、 保険証の交付と国保料の納付は切り離して考え、全ての被保険者に保険証を渡すことを原則とした上で、当面次の(1)~(3)の事項は医療が必要な患者さんの受診を抑制しないよう速やかに実施すべきと考えている。(1) 受診が必要な患者には、保険料の納付の有無に関わらず保険証を交付すべき。(2) 有効期間は最低でも3 か月以上の設定とすること。(3) 有効期間は3 月以上の前提で、窓口への留置き期間は最小限とし、(最長でも1 か月) その後は速やかに郵送すること。 また、滞納者に一律に短期被保険者証を発行するとか、有効期間を市町村の裁量で定めたりするのではなく、長野市を参考に短期被保険者証の発行基準と除外基準をもうけるべきである。 市町村国保アンケート結果報告(2015年版)

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