コンピュータチェックルールの公開事例を公表(支払基金)

社会保険診療報酬支払基金(以下、支払基金)ではレセプトの9割程度をコンピュータによる審査完結を目指すことなどを含む業務効率化・高度化計画を策定しているが、3月20日にコンピュータチェックルールの公開事例を公表した。

支払基金では業務効率化・高度化に向けた改革の取組として、適正な請求レセプトの増加につなげるため、コンピュータチェック対象事例について、公開基準を策定の上、順次公開を進めることとしている。今回公表した事例は86,219事例。

コンピュータチェック対象事例の診療内容の適否については、審査委員会の医学的判断により決定されるとしているが、今後こうしたコンピュータチェックによる審査が強化されていくとになる。

2018年3月20日時点の公開事例のデータは支払基金の下記のページよりダウンロードできる。

http://www.ssk.or.jp/seikyushiharai/ssk_cc/ssk_cc_300320/index.html

データの内容をみると、チェック対象として医科診療行為(21646事例)、歯科診療行為(435事例)、調剤行為(42事例)、医薬品(61972事例)、特定保険医療材料(2124事例)の5区分に分類されている。

また、それぞれの項目にはチェック観点が(1)回数、(2)対象外算定、(3)背反、(4)包括、(5)用法・用量、(6)数量、(7)その他の区分がある。
チェック観点の用語の内容は下記の通り。

  1. 回数
    診療報酬点数表等において「○○に●●回を限度として算定する(に限り算定する)」等、算定単位ごとの算定回数が示されている事例
  2. 対象外算定
    診療報酬点数表等において「○○に加算する」、「○○した場合に●●を算定する」、「○○を算定している患者に算定する」等と示されその要件を満たしていない事例
  3. 背反
    診療報酬点数表等において「○○を算定した場合には●●は算定できない」、「同時に算定できない」、「主たるもののみ算定する」等と示されている事例。ただし、「○○を算定した場合には●●に含まれ■■は算定できない」等、「含まれ」等の包括規定が記載されている場合は「包括」を優先する。
  4. 包括
    診療報酬点数表等において「含む」及び「含まれる」等と示されている事例
  5. 用法・用量
    医薬品の添付文書(用法・用量)において「○○年に●●回■■mg 投与する」、「投与期間は○○週間とする」等記載されている事例
  6. 数量
    材料価格基準等において「○○を限度として算定する」、「○○につき●●個のみ算定する」等示されている事例
  7. 医学的必要性
    医学(薬学)的見解に基づき、情報提供する審査の一般的取扱い等の事例
  8. その他
    上記の観点に該当しない事例

またチェックする上での参照範囲についても下記の7区分に分けて行うことなども示されている。

  1. 単月
    当月請求分のみ参照する事例
  2. 入外
    同一医療機関・同一患者に係る入院レセプトと入院外レセプトを参照する事例
  3. 突合
    同一医療機関・同一患者・同一診療(調剤)月に係る医科レセプト又は歯科レセプトと調剤レセプトを参照する事例
  4. 縦覧
    同一医療機関・同一患者に係る当月請求分レセプトと過去複数月のレセプトを参照する事例
  5. 単入
    「単月」及び「入外」の組み合わせ
  6. 単突
    「単月」及び「突合」の組み合わせ
  7. 単縦
    「単月」及び「縦覧」の組み合わせ

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