介護保険法等の 一部を改正する法律の成立に抗議する(理事会声明)

長野県保険医協会は、5月29日の理事会で、26日の参議院本会議で「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、「法案」)が可決成立したことをうけ、理事会声明を発表しました。 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の成立に抗議する 声明 地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律の成立に抗議する 「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」(以下、「法案」)が5月26日の参議院本会議において可決成立しました。 前日の参議院厚生労働委員会では、平成27年に導入した利用者負担2割の影響について実態調査を十分に行った上で分析、評価して必要な措置を講じることとするといった附帯決議が採択されています。つまり、実態調査もないままに今国会に法案が提出され、短時間の審議で成立したということで、断じて許されるものではありません。 本会では、この法案の本質は国が責任を持つべき社会保障を地域住民の互助に委ねることで安上がりな医療・福祉サービスへと転化し、サービスの縮小と質の低下することを指摘してきました。 これら懸念とともに法案審議では要介護認定率の低下、給付費の抑制などを自治体の努力として国が調整交付金といった形で評価するといった仕組みも問題となりました。自治体を財政面で締め付け、介護サービス抑制の競争へと駆り立てるといった政策は、介護の社会化を理念にスタートした介護護保険制度を根本から揺るがしかねないものです。 今回の法案のみならず、政府は社会保障費削減ありきで、更なる医療・介護の負担増、給付削減が計画しています。私たち医師・歯科医師は、今回の法案成立に強く抗議し、憲法25条の精神のもとに誰もが安心して受けられる医療、介護の実現を求めるものです。  

2017年5月29日

長野県保険医協会 理事会

医療運動, トピックス