いのちまもる国民集会に3000人
10月24日(木)に雨の中、いのちと人権が大切にされる社会保障の充実やTPP交渉からの撤退などを求める国民集会が東京日比谷野外音楽堂で開催された。全国から医療、介護関係者を中心に約3000人が集まり、長野県保険医協会からは鈴木会長、市川副会長及び事務局が参加した。
日本医労連の中央執行委員長の山田さんが主催者あいさつに立ち、安倍政権は消費税増税、社会保障の改悪、改憲、原発再稼働、TPP交渉参加といのちを守ることとは真反対の政策をすすめている。特に社会保障では医療や介護の抑制と削減を内容とする改革をすすめられようとしている。医療・介護の状況を語り、国民の期待にこたえる医療介護の実現を訴えれば必ず世論が広がる。社会問題として国会に取り上げさせる運動をしていこうと訴えた。
スペシャルゲストの予備校講師の林修氏は、産婦人科医である妻や友人の医師の業務の過酷な実情を理解しているとし、人の命を預かる仕事は大変で責任の重さが全然違うと語った。その中で自分ができることは今の若者に対してこのような集会の意味を理解し、自分で考えることのできる人間を一人でもふやすことだ。直接お役に立つことはできないかもしれないが、他人の言葉、自分と違う主張の言葉を受け止めて、自分で考えることのできる人間を育てたい。この国がもっといい国になるように、といった思いは皆さんと共通の願いであるとし。「皆さんとの思いを、いつ、ともにするか? 今でしょ」とおなじみのフレーズで締めくくった。
宮城県保険医協会の井上先生は、被災地の医療費一部負担金免除の復活を求めるとともに、窓口免除負担で歯科の受診患者が増えたことは、日本の高すぎる窓口負担が患者の受診抑制につながっていることのあらわれだと指摘した。70歳~74歳の高齢者の窓口負担を増やそうとしているが、窓口負担軽減こそが医療費負担を減らし、社会保障充実につながると訴えた。
集会最後には憲法をいかし社会保障の充実をもとめる集会アピールを採択した。
終了後は、都内をパレードして、医療、介護の充実、TPP反対などを訴えた。
集会アピール
いま、国民不在の政治によって、いのちが脅かされています。
国民の主権を奪い、戦争できる国にする憲法改悪の画策、福島県民15万人がいまだ避難生活を余儀なくされ、汚染水問題も解決できていないのに「安全」を繰り返し原発再稼働と輸出を進める政府。
国民のいのちよりも大企業の儲けを優先するTPP(環太平洋連携協定)交渉への参加、そして国民の声を無視した来年4月の消費税増税の表明。
8月から始まった生活保護基準の引き下げ、10月からの年金引ぎ下げ、そして社会保障を自己責任に置ぎ換える「社会保障制度改革推進法」。70~74歳の窓口負担の1割から2割への引き上げをはじめとする患者負担増、秋の臨時国会でプログラム法案を成立させ、国民のいのちと暮らしを脅かす政策の強行は許されません。
私たちは、立場のちがいをこえ、国民の「いのちまもる」一点で大吉な共同をひろげ、いのちと暮らしを守るためにとりくみます。
私たちは、国に求めます。
○憲法をいかし、いのちと人権が大切にされる社会保障の充実を
○いのちの差別は許さない! 医療・介護の営利化反対!
○医師・看護師・介護職員等を大幅に増やし、地域医療の確保を
2013年10月24日いのちまもる10・24国民集会