福祉医療給付制度の改善をすすめる会総会を開催
5月18日(土)、長野市障害者福祉センターにて「福祉医療給付制度の改善を進める会」の2013年度総会が開催された。会の冒頭、本年1月に急逝された坂本前会長を偲び全員で黙祷をささげた。その後、会長代理の原氏の挨拶、記念講演、総会議事と続いた。参加者は32名だった。
記念講演は、長野中央病院副院長(小児科)の番場先生を講師に、「小児科医療の現場における窓口無料の意味」と題して行われた。講演では、特に子どもの場合、大人に比べて経過観察が重要で、繰り返し受診することで適切な診断につながることや、経済的理由で受診を控えたため症状が長期化してしまった事例などを紹介。薬はいらないと言う患者、調子が悪くても我慢して、我慢しきれなくなってようやく受診する患者などを挙げて、貧困問題との関係においても窓口無料化の意義が増していると強調。窓口無料化は9割がたの国民のニーズにかなっていると思うが、医療の枠を超えて子どもの貧困問題まで目を向けなくてはならないとした。
総会議事では、(1)2012年度活動報告、(2)2013年度活動方針(案)、(3)2012年度決算・監査報告と2013年度予算案の3議案が提案され、いずれも承認された。昨年度の活動報告では、県知事との懇談やそれに向けた署名運動、6月県議会での団体請願と意見陳述、県の健康福祉部との懇談などが報告された。今年度の活動方針としては、2014年8月の県知事選挙に向け、窓口無料化を県知事選の重要な争点とするために、①本年10月に県民シンポジウムを開催し、②シンポジウムの成功を土台にして県知事への大規模な要請署名を行うことが確認された。
最後に、今年度の役員が提案され、新会長に飯田市の小児科医で健和会病院副院長の和田浩先生が選出された。和田氏は当日は都合で出席できなかったが、書面で ―経済的困難を抱えた家族の多くが、お金のないときには受診を控えている。医療費無料化が拡大されてきたのはいいことだが、窓口無料ではないことで、最も困難を抱えた人たちが受診をためらっている。みんなの力でこれを変える運動を作っていきたい―とメッセージを寄せた。その他の役員は再任で、保険医協会からは鈴木会長が副会長、宮沢事務局長が事務局次長に選出されている。