都道府県ごとの診療報酬など「保健医療2035提言書」を公表

厚生労働大臣直轄の「保健医療2035策定懇談会」は6月9日に「保健医療2035提言書」を塩崎厚生労働大臣に提出し公表した。 2020 年の社会保障を含めた財政再建、2025 年の地域包括ケアシステムの実施を大きな節目として、その先の2035年を見据えた将来ビジョンとして提言といった位置づけであり、2035年までに予測される需要の増加・多様化、グローバル化、技術革新に対応できるような、保健医療におけるパラダイムシフトが必要としている。 提言では地域主体の保健医療への再編のための具体的なアクションの例として、地域差解消のために診療報酬について地域ごとのサービス目標量を設定し、不足している場合に加算、過剰な場合は減算を行うなど、サービス提供の量に応じて点数を変動させる仕組みの導入を検討するとしている。将来的には医療費適正化計画において推計した医療費の伸びを上回る都道府県では、診療報酬の一部(例えば、加算の算定要件の強化など)を都道府県が主体的に決定するなども盛り込んだ。更に、保険医の配置・定数の設定や、自由開業・自由標榜の見直しをにも言及している。 また、「ゲートキーパー」ではなく、「ゲートオープナー」といった表現を使い、総合的な診療を行うかかりつけ医師を配置す配置する体制を構築し、その費用は包括的な評価とするとともにかかりつけ医を受診した場合の費用負担とその他の医療機関を受診した場合の費用負担に差を設けて過剰受診や過剰投薬の是正等の効果も期待する。 自らが受けるサービスを主体的に選択できるための具体的アクションとして、一定の自己負担の設定による医療へのアクセスへのコントロールなども検討するとして、後発医薬品でなくブランド薬を使用した場合の追加的な負担や、在宅でサービスを受ける場合と入院・入所によりサービスを受ける場合とで異なる自己負担を導入することも視野に入れる。また、市販薬などを用いて自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てするセルフメディケーションの支援を行うとしている。 保健医療2035提言書

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