在宅医療と雪害対策などで務台衆議院議員と懇談

20140313_yousei.JPG県保険医協会は3月13日に4月診療報酬改定における医科在宅点数の大幅な引き下げの問題と2月の豪雪が医療機関に与えた影響などについて、県選出国会議員に要請書や資料を提出するとともに務台衆議院議員と懇談した。 3月5日の診療報酬改定の告示・通知では居住系施設やアパートなどにおける「同一建物居住者」への在宅患者訪問診療料や在宅時医学総合管理料、特定施設入居時医学管理料が大幅に引き下げられた。これは、朝日新聞の「在宅ビジネス横行」などをきっかけに中医協で不適切事例として問題視され、療養担当規則や診療報酬で対処する方針が示されていたが、ふたを開けると在宅時医学総合管理料などは1/4に減額されるなど在宅医療に多大な影響を与える内容となった。長野県保険医協会では3月6日~11日にかけて県内の在宅時医学総合管理料の届出医療機関に対して、訪問の実態や点数改定の影響試算や今後の在宅医療への取り組みなどの緊急アンケートを実施したが、その結果を元に引き下げ中止を求める要望書を提出した。 保険医協会からは長野県では午前中に外来を行い、午後に在宅医療を行っている医療機関がほとんどであり、まじめに在宅医療に取り組んでいる医療機関まで一律に引き下げることはおかしい。5割以上の医療機関が年間500万円から多いところは数千万の減収となり、今後在宅医療を廃止、縮小を考えるといった声も上がっている。患者紹介ビジネスが問題であれば療養担当規則で禁止としたし、過剰な訪問をしている可能性があるということなら患者の同意書の取り付けなどの規定を新たに盛り込んでおり、それが適切にされているかどうかは行政がチェックをすれば良いだけの話で、一律に引き下げる必要はない点を強調した。務台議員は行政による点検は人手の問題もあり現実的ではないので電子データなどで過剰診療かどうかのチェックができれば良いとの考え方を示す一方で、長野県のような低医療費でまじめにやっているところまで一律に下げることは重大な問題だと協会の考え方に理解を示した。 同一建物居住者に関する診療報酬改定の撤回を求める要請書 雪害アンケートでは、今回は東信、南信、中信で臨時休診、支障が大きく。医療機関で診療に支障を来した理由では除雪の問題がトップ、次に通行止め、スタッフが通勤できなくて体制が確保できないといった三つが大きい。また、患者さんへの影響では透析患者の問題や、定期的な薬が切れて体調管理に支障が生じたことが数多く報告され、インスリンの薬を届けに行ったなどの回答もみられた。また、ファックスによる処方が可能との事務連絡が17日に県に対して出されたが、医療機関では通知が届くまで判断に困った事例も報告されている。要望としては速やかな除雪を望む声が圧倒的で、せめて休日当番医の医療機関へのアクセスを確保する配慮は欲しいといった意見も出されていた。保険医協会からはアンケートを踏まえて、除雪の優先順位として社会的基盤を担う医療機関へ配慮して欲しい旨の要請を行った。務台議員は政府へはトラフィックマネージメントをきちんとするようにと話をしているとし、保険医協会からも政府に対して当番医のところは早めに除雪ができるようなシステムを考えるよう要望したらどうかとのアドバイスがあった。また、非常時の処方箋などは制度としてつくるべきだとの見解も示した。

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