長野県の地域医療構想(案)を概ね了承 第5回策定委員会

11月4日、第5回長野県地域医療構想策定委員会が開催され、長野県地域医療構想(案)が提示され概ね了承された。今回の構想案は前回9月に示された素案に対して、委員会及び各調整会議から寄せられた意見を反映し、記述を追加するなどの対応したものだが、2025年に必要とされる各構想区域ごとの病床数の推計値に変化はない。2015年の稼働病床数からは1,680床の減少であり、2015年度に19,769床だった許可病床数からは2,930床の減少となる。 2025bed主な修正点としては、病床数の必要量の推計値に関する留意点について推計値の意義は「将来の医療提供体制について、医療関係者をはじめ、介護関係者や医療を受ける住民の方々に一緒に考え行動していただくための参考値であり、病床数の削減目標といった性格を持つものではありません。」という文言を盛り込むとともに、随所に推計値は「一定の仮定に基づく推計」で「参考値」であることを強調している。また、病床の機能区分についても、医療機関からの病床報告制度と地域医療構想における区分は定義が異なるため単純比較できない点などもこれまでの議論を踏まえて追記した。将来の医療提供体制を実現するための施策として、「即戦力医師の確保を図るとともに、医師の育成を進めるなど、医師の絶対数の確保」を図ることも盛り込んだ。 委員会や調整会議からの意見も取り入れられたことから全体としては構想案を支持する方向でまとまったが、議論の中では、「現在稼働中の病床を県が削減させるものではない」といった点について、県に病床削減の権限がないのなら「稼働している」は削除すべきではないかとの意見に対して、山本健康福祉部長から非稼働病床については公的医療機関等に対して都道府県知事は削減命令ができ、公的医療機関以外には削減の要請ができるといった法令上の説明がされ、稼働していない病床については県に病床削減を行使する権限があることが改めて確認される形となった。また、ある委員からは地域医療構想は医療提供体制の見える化といった点で評価していたが、必要病床数の推計値は参考値であり、病床機能報告制度と定義は異なるというダブルスタンダードとなると、この委員会の議論は何だったのか、患者が何をもって現状を判断したらよいのかとの疑問も出された。事務局からは今回の医療構想は数値を参考にどういった体制が良いのかを長い目で見て皆さんで考えましょうといったことが出発点であるとの説明がされるとともに、単純に比較ができないとしても全く比較することができないというものではないといった認識も示された。山本健康福祉部長は機能区分ごとの明確な定義がないなど様々な問題があり県としても運用上困る面があり、国には改善を求めていきたいが、全体の病床数やそれぞれの機能区分ごとの比率などについては大きな方向性として国が示しているので、完璧な比較はできないが大きなトレンドとしてはみてとれるとした。 構想案は今回の策定委員会での意見をふまえ修正を加えて12月中旬からパブリックコメントにかけ、次回2月の地域医療構想策定委員会で決定することとなる。 地域医療構想策定委員会の資料は長野県のホームページで閲覧できます。 http://www.pref.nagano.lg.jp/iryo/kenko/iryo/shisaku/hokeniryo/vision1kai.html  

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